家庭を持っていてもFIRE達成可能か?効率的に資金を貯める方法について
- 2021.10.07
- つぶやき
最近話題の「FIRE」ですが、家庭を持っている方でも達成可能なのでしょうか?
家庭を持っている方で、
「家族の人数が多いと達成は難しいのでは」
「支出の多い家庭でも資金を貯める方法があるの」
このような疑問をお持ちではありませんか?
この記事ではFIRE達成するために効率的な資金の貯める方法として、
- つみたてNISAやふるさと納税と言った節税対策
- ダブルインカムや副業で収入を増やす
- マイクロ法人の設立により社会保険料の最適化
について解説します。
最後まで読めば、家庭を持つ方がFIRE達成の具体的なポイントをイメージできるようになるでしょう。
家庭を持っていてもFIRE達成可能か?必要資金額は?
FIREは独身者の方が達成しやすいと言われています。
その理由は毎月の必要生活費は少ないためFIRE達成までの必要資金が少なく抑えられるからです。
それでは家庭を持っている方では達成は難しいのでしょうか。
独身者の必要生活費を月15万円とした場合、4人家族では月20~30万円程度は必要になるでしょう。
必要生活費が月30万円で、年間360万円になります。
仮に株などの配当率を3%とした場合、必要資産は約1億2,000万円になります。
高配当株に投資して配当率5%の場合でも、約7,200万円の資金が必要です。
一見、達成困難にも見えますが、家族持ちの場合、人数が多いことが強みにもなります。
それでは家族持ちの方でもFIREを達成するために、効率的な資金の貯め方について解説したいと思います。
方法1.節税対策:つみたてNISA、ふるさと納税
これからFIRE達成に向けて資金を貯めようと考えている方において、節税・控除対策は必須となります。
代表的な節税・控除対策としては「つみたてNISA」「ふるさと納税」「iDeco」の3点。
その詳細について簡単に説明しましょう。
①つみたてNISA
NISAとは少額投資非課税制度のことであり、NISA口座(非課税口座)を利用して取引すれば、金融商品の売却益や配当益が非課税対象となります。
株式や投資信託のような金融商品の取引において、売却益や配当益が生じた場合、その利益に対して約20%の税金を課せられますので、NISA(少額非課税制度)を使わない手はないでしょう。
NISAの中では「つみたてNISA」がおすすめです。
積み立て投資は、インデックス投資や米国S&P500など長期資産運用において非常に相性の良い投資方法です。
毎期一定金額の積み立て投資であるため、相場の価格変動リスクを抑えることができます。
つみたてNISAの非課税枠は年間40万円(最大800万円)で、非課税期間は最長20年です。
NISA口座で毎年40万円を積み立てて利回り5%で運用した場合、資金は20年で約1,400万円になります。
運用利益は約〇600万円となりますので、全て非課税対象となるのは非常にメリットが大きいと言えます。
②ふるさと納税
ふるさと納税とは、実質2千円の負担で寄付した地方自治体から返礼品をもらえる制度です。
寄付金額に応じて翌年に納める納税額が控除される仕組みです。
年収500万円の方なら、約6万円/年の返礼品がもらえます。
豪華な食材をもらうのも良いですが、おすすめは日用品(トイレペーパー、洗剤、飲料水、お米など)を返礼品でもらって生活コストを下げることです。
年間6万円の節税は少ないと思うかもしれませんが、20年では約120万円の生活コスト削減となり、長い目でみると大きな差となりますので、こちらも使わない手はないでしょう。
ただし寄付をしたら税金控除のための確定申告が必要ですので忘れないよう、ご注意下さい。
注意!iDecoはFIREには適さない
iDeCoの証券口座で購入した投資信託は全額所得控除の対象となるため節税対策となります。
<iDeCoでの節税効果>
iDeCoの掛金は、月々5,000円以上1,000円単位で、上限額の範囲内で設定できます。
【iDeCo掛金の月額上限について】
掛金の月額上限(拠出限度額) | |
自営業者 | 6万8千円 |
会社員・公務員 | 1万2千円~2万3千円 |
専業主婦(主夫) | 2万3千円 |
会社員の場合、毎月の掛金は最大2万3千円です。
年間で最大27万6千円 (=2万3千円×12ケ月)。
節税効果は27万6千円×税率20%(年収600万円の場合)で、年間で約5.5万円の節税効果となります。
ただしデメリットは60歳まで解約できないことです。
FIREの場合、超・早期リタイヤが目的ですので、60歳まで解約できないiDecoはFIRE資金を貯める方法には適さないと言えるでしょう。
方法2.収入を増やす(ダブルインカム、副業)
資産を増やすためには、収入を増やすことが欠かせません。
具体的に収入を増やす方法について解説しましょう。
①夫婦共働き(ダブルインカム)により収入を増やす
家族をお持ちの場合、働ける人の数が多いことが強みとなります。
夫婦共働き(ダブルインカム)であれば、収入源が2箇所となり年収も大きく増やせる可能性があります。
夫婦どちらかの収入を貯蓄に廻して月20万円を貯金した場合、年間で240万円。20年では4,800万円となります。
仮に利回り5%で資産運用した場合、資金総額は20年で約8,000万円まで増えることになります。
②副業(サイドFIRE)により収入を増やす
また、以前の記事で紹介した「サイドFIRE」を併用するのもおすすめです。
サイドFIREとは、副業により収入を得ること、また超・早期リタイヤ後も副業を続けることでFIRE達成に必要な資金総額を半分程度まで抑えることができます。
またサイドFIREのメリットは好きな仕事を副業に選ぶことで、ストレスなく仕事を続けられます。
家族を持っている方は、夫婦共働き(ダブルインカム)+サイドFIRE(副業)を選択することでFIREがより現実的なものとなるでしょう。
方法3.マイクロ法人設立による社会保険料の最適化
マイクロ法人とは、企業の規模を拡大せずに従業員1人で事業を運営する会社を指します。
厳密には、自分のほかに家族を従業員にする場合もマイクロ法人にあたります。
マイクロ法人を設立するメリット
マイクロ法人を設立するメリットは法人化することで節税効果を得られたり、社会保険料を節約できたりします。
会社員の平均年収は約400万円であり、平均的な手取りは310万円ですので、税金は約90万円/年。
マイクロ法人と同じ年収のフリーランスを比べた場合、手取りは年間で約60万円も手取りが違ってきます。
10年で600万円、20年で12,00万円と大きな差となります。
なぜ、これほどの差が生じるのか解説します。
<手取り比較表>
会社員 | フリーランス | マイクロ法人 | |
年収 | 400万円 | 400万円 | 400万円 |
手取り | 310万円 | 290万円 | 350万円 |
マイクロ法人とフリーランスの二刀流がおすすめ
結論から言うと、年商80万円のマイクロ法人を設立して、年収320万円のフリーランスになることです。
フリーランスの手取りが少なくなる理由に社会保険料があります。
フリーランスの方は国民年金・国民健康保険に加入することになります。
国民年金の保険料は20万円/年で、いくら年収が増えても金額は変わりません。
一方、国民健康保険は年収が増えるほど、保険料は高くなります。
年収400万円の場合で、国民健康保険は約40万円/年となり、国民年金と合わせて年額60万円と高額です。
この問題を解決するのがマイクロ法人の設立です。
自分が設立した会社の健康保険・厚生年金に加入することができ、この健康保険・厚生年金の保険料は報酬月額に比例します。
仮に報酬月額を4.5万円/月に設定した場合、健康保険料は0.6万円/月、厚生年金は1.6万円/月で合計すると年間26.4万円となります。
しかも報酬月額を上げない限り、この保険料は変わりません。
フリーランスの場合、国民年金と国民健康保険で年額60万円ですので、マイクロ法人を設立することで保険料を大きく下げることができます。
<社会保険料比較>
・フリーランスの場合 | 国民年金:20万円+国民健康保険:約40万円=約60万円/年 |
・マイクロ法人の場合 | 健康保険:7.2万円+厚生年金19.2万円=26.4万円/年 |
マイクロ法人設立の目的は社会保険料を払うための会社になります。
したがって①最低の報酬月額、②最低の社会保険料、③最低の法人税、住民税でマイクロ法人を最適化することにより、社会保険料をギリギリまで抑えることができるのです。
サイドFIREを目指す方には、マイクロ法人の設立を強くおすすめします。
まとめ
最近話題のFIREですが、独身者に比べ家族を持っている方が毎月の生活費は多くなり達成は難しいと思われがちですが、家庭を持っている方でも効率的に資金を貯めてFIREを達成する方法はあります。
具体的には
①課税控除などの節税対策を最大限におこなう。
・資産運用はつみたてNISAを活用する。
・ふるさと納税の納税額控除を利用する。
②収入を増やす。
・夫婦共働き(ダブルインカム)により収入を増やす。
・サイドFIREを目指し、FIRE必要総資金額の低減。
③マイクロ法人設立による社会保険料の最適化。
ここまで、FIRE達成に向けた効率的な資金の貯め方について解説してきました。
解説した項目について、最大限に取り組んでいただければ、家族持ちでもFIRE達成は不可能ではないことはご理解いただけたと思います。
ただし、誰でもFIREは達成できる訳ではありません。
FIRE達成までには長い時間を要します。
したがって、ゴールへ向う綿密な計画と行動力を支える強い信念も必要となります。
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